本格的に旅立つ前に3カ月間ほど、フィリピンにて英語を学ぶため留学していました。その間に、フィリピンの中堅広告会社で働く若者と仲良くなりました。彼はフィリピンで1、2を争う私立大学を卒業し、その中堅広告会社に就職して1年経った頃でした。 僕は彼とともに、彼の職場の同僚と一緒に会話をしていたのですが、彼らが近い将来、どこで働きたいかという話題になりました。ここまでは日本でもよく有りうる展開です。しかし、その後の彼らの会話は大きく異なりました。 「僕はあと数年働いたら、イギリスで働きたいね」 「イギリス? 僕は香港かシンガポールだな!」 「俺はアメリカ!」 そんな会話が飛び交っているのです。 「どこで働きたいか?」をテーマに会話が始まったので、僕はてっきり国内ナンバーワンの広告会社への転職やら、違う業界への転職やらの話だと思っていたのです。 しかし、彼らの会話内容は大きく違いました。 「国」の話