ビール酵母を改変して、ビールのホップの香りの一因になっている2種類の分子を産生させたことを報告する論文が、今週掲載される。この知見は、ビール産業のホップの花に対する依存を減らし、ビールのホップの香味を安定的に作り出す上で役立つ可能性がある。 ホップは、ビール醸造の原料だが高コストで、ホップの豊かな味を安定的に得るには、ホップの花に含まれる精油(エッセンシャルオイル)が量的に安定している必要がある。ただし、花に含まれる製油の量は、遺伝、環境、食品加工に関連した諸要因の影響を受け得る。 今回、Jay Keasling、Charles Denbyたちの研究グループは、ビール酵母を改変して、リナロールとゲラニオールという2種類の分子の産生量を増やした。リナロールとゲラニオールは、ホップの花の精油に含まれており、ホップの香味の主要な決定因子であることが分かっている。研究グループは、ミントとバジルから