教育現場では新学期がスタートした。東大、京大や早慶など難関大学の高校別合格者ランキングが確定するなか、華々しい成果の裏に潜む“闇”が浮かび上がった。一部の高校が進学実績のアップへ走るあまり、手間のかかる成績不振の生徒に退学を促しているというのだ。民間の支援団体への相談件数は増加傾向にあり、東大合格者ランクで上位常連校の生徒も含まれるという。有名進学校の競争激化が思わぬ問題を引き起こしている。 学校側の決まり文句は「環境を変えた方がいいですね」。三者面談で保護者と子供が聞くこのセリフこそ、紛れもない「退学勧告」だ。今、こうした経緯で行き場を失った高校生が増えている。 不登校や高校中退の問題に取り組む「NPO高卒支援会」(東京)によると、2012年に同会へ寄せられた相談は約300件にのぼる。前年比で20%増加した。主な相談の事例をみると、目立つのが有名進学校で勉強についていけずに留年が確定