スタジオジブリ 鈴木敏夫 「思い出のマーニー」と「クルミわり人形とネズミの王さま展」のポスター絵を見比べて欲しい。一見、何の関係も無さそうな二枚の絵が、じっくり見ているうちに折り重なる。金髪の娘とネグリジェ。よく見ると、同じモチーフで描かれている。また、描かれている少女の年の頃も似ている。 米林宏昌の描いたマーニーの絵を宮さんは批判していた。 「麻呂は、美少女ばかり描いている。しかも、金髪の……」 麻呂とは、米林宏昌の愛称だ。それは西洋に対する日本人のコンプレックスだとも指摘していた。そんなある日、宮さんが「クルミわり人形とネズミの王さま展」のためにポスターを作った。真ん中にすっくと立って、前方に歩いて来るのは主人公マリーだ。ある特定の人たちを対象にするのじゃなく、広く一般にアピールするにはこう描けばいい。そんな声が聞こえて来そうな魅力的な絵だ。 その絵を見ながら、あるスタッフが教えてくれ
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