神戸市に本拠を置く国内最大の暴力団、山口組の篠田建市(通称・司忍)組長(69)が9日早朝、府中刑務所(東京都府中市)を出所した。銃刀法違反の罪で2005年12月から服役し、刑期を終えた。 篠田組長は05年8月、6代目組長に就いた。間もなく、大阪市内のホテルで実弾入り拳銃を持った配下組員に警護させたとされる1997年の事件で収監された。服役中は、出身組織の弘道会(本拠・名古屋市)時代からの側近で、山口組ナンバー2の若頭高山清司被告(63)=恐喝罪で起訴=が取り仕切っていた。 組長不在でも、全暴力団の半数の約3万5千人の勢力を保つ山口組と、その中核組織の弘道会に対し、警察庁は「両組織の弱体化なくして暴力団の弱体化なし」として09年、集中取り締まりを始めた。これまでに両組織の中核幹部である直系組長計50人を逮捕した。(編集委員・緒方健二)