私たちはよく「その考え方っていかにも日本人的だよな」「日本人って集団主義的だから俺には合わないんだよな」などと口にする。だがそもそも「日本人らしさ」って、一体何だ?以前のエントリーと重複しますが、丁寧に論じてみました。日本人は欧米人より集団に流されやすく、日本は村社会的だと感じてしまう人は、是非一度読んでみてください。 一番普及している考え方は、西欧人は「個が確立しており、自己主張が強く、人の意見に流されにくい」、それに対し日本人は「個よりも和を尊び、集団主義的で、人に流されやすい」というものだろう。この考え方に沿って様々な書物が著されてきた。たとえばルース・ベネディクトの『菊と刀』が代表例だろう。またこの考え方は受験現代文・小論文の現場でも絶えず繰り返されており、学生を通じていまだに反復/再生産され続けている。 この文化による考え方の違いを、「文化による心性の違い」と捉え、心理学の領域で
数日前にインドを出て、パキスタン第三の都市、ラーワルピンディへやって来た。ポピュラーインというバックパッカー宿のドミトリーに落ち着くが、どうにもお腹の調子がおかしくて、だんだんと食欲もなくなり、朝起きると10秒間のオナラが出る。体もダルいので外出する気にもならない。まあそういうこともあるかと思って、しばらく気にしないでいたけれど、そのうちに卵臭いゲップが頻発するようになり、おなかがパンパンになって苦しくなってきたので、さすがに心配になって隣のベッドの旅人に告白してみた。隣人は何か心当たりがあったらしく、ちょっと待ってと言って、手帳を取り出してペラペラと調べ始める。「あった。ランブルベンモウチュウですね」、何じゃそれ。初耳だが、アジアではポピュラーな、小さな寄生虫らしい。お腹の中に虫が居るんだと思うと、ちょっとしたワクワク感を感じつつ、近所の薬局に行き、教えてもらった薬の名前をオジサンにたず
このサイトをお読みくださり、コメントもいただいている閻小妹 様が中国語訳した「吾輩は猫である」(2019 人民文学出版社)が完成。ハードカバー版とソフトカバー版を御好意で送って下さいました。 外国文学名著90冊(「白痴」「ボヴァリー夫人」「神曲」「ドン・キホーテ」「武器よさらば」など、全集の内容が巻末に。閻小妹 様によると、中国では小中高校生向けに100冊が指定されているとか)の1冊、日本からは「源氏物語」と芥川龍之介作品集が入っているものの、長編は「猫」だけ。 何でも中国の中学生の課題図書だそうです。いったい何億人が読むのでしょうね?挿絵は入ってませんが、よければ当サイトのものを見ていただいて、理解の一助としてもらえれば嬉しいです。 ありがとうございました、今後もよろしくお願い致します。
----- 亜紀書房刊、1998年6月25日発行、XVI+241+12p. ----- この本では、平均的な日本人が日ごろ疑問に感じているに違いないイスラーム世界の問題を100問選び、回答を示しています。ただし、ここには著作権上の問題から、編者ふたりによる回答(時間の許すかぎり更新中)しか掲載していません。他の回答を知りたい方は、同書をご参照ください。 《1章のテーマ》 中国・東南アジア・中央アジア・アフリカ・北米のイスラーム、キリスト教・ユダヤ教との関係、イスラームの諸宗派と新興宗教、日本との関係、パレスティナ問題、アフガニスタン内戦、旧ユーゴスラビア内戦(コソヴォ問題)、イスラーム教徒になる方法、イスラーム教徒と付き合う方法
離陸してすぐ、私は機内に備え付けの女性週刊誌を読んでいました。女性や子供の姿が多く、いつもの大阪便とはちがうな、という印象はありました。私の席の周囲にも、若い女性の姿が目立った。禁煙のサインはすぐに消えたのですが、着席のサインが消えていたかどうか、はっきりしません。 そろそろ水平飛行に移るかなというとき、「パ−ン」という、かなり大きい音がしました。テレビ・ドラマなどでピストルを撃ったときに響くような音です。「バーン」ではなくて、高めの「パーン」です。急減圧がなくても,耳を押さえたくなるような、すごく響く音。前ぶれのような異常は、まったく何も感じませんでした。 音は、私のちょっとうしろの天井のあたりからしたように感じましたが、そこだけでなく全体的に広がったように思います。私は思わず天井を見上げました。しかし、振動はまったく感じませんでした。機体も揺れなかった。 お客様からは、「うわっ」
「物語」というキーワードは便利で、医学的に非合理的な要求をしてくる患者さんなんかを揶揄して「Story Based Medicine(SBM)の時代だよなぁ」なんて言われているみたいだし、わたしも「物語」という概念が大好きでよく使うんですが、そもそも、人間のアイデンティティを説明する場合に便利な「物語」という概念はいったいどういうものであるのか、若干掘り下げてみたいと思います。人間が「物語」を必要とする認知的・進化的な背景については、「心と意識のまとめ」というエントリーを参照してください。今回は、『自己への物語論的接近』の内容を簡潔に整理してみます。まとめで力尽きたので、コメントは次回以降で。なお、具体例・下線部は引用者が勝手に考えたもの。 同書の著者、浅野さんによれば、まず、物語は3つの特徴をもっているという。 ■物語の特徴 1.視点の二重性 人が語るとき、語ることによって、語り手の視点
血液型によって性格が違うわきゃない。霊や仏や神の実在なんて糞食らえ。星座占い?手相占い?m9(^Д^)プギャー!!な自分なわけですが、だいぶ前に面白い体験をしたことを思い出しました。後楽園ラクーアの喫煙所で煙草を吸っていたところ、いかにもうさんくさい新興宗教オーラを放つ男と女の二人組が近づいてきた。彼らは、「今からあなたが吸っている煙草にまったく手を触れずその味を甘くしてみせますよ。苦みがなくなりますよ」という。「ご自由に」とそっけないリプライを返したところ、彼らは自分の両側に陣取り始めて、手をかざし、わたしの煙草に何らかの「念」を送りはじめた。 (`・ω ・´) >))))) m9(^Д^)y─┛~~ (((((<(`・ ω・´) ‥で、実際におもいっきし味が変わったわけですよ。バニラエッセンスのような味になったわけですよ。そしてその後、「肩こりを(身体に一切手を触れずに)取ってく
今世田谷文学館で開催されている「岡崎京子展」、2月の1日に行ってきました。 http://www.setabun.or....
山本直樹『ビリーバーズ』 ※『レッド』の感想はこちら 『ビリーバーズ』はオウム事件を描いたものか 新興宗教っぽい団体に入っている男2人、女1人の計3人が孤島で独特の修行をする顛末を描いた物語である。 評論家の呉智英は山本直樹『レッド』の書評で「テーマは連合赤軍事件である。既に七年前の『ビリーバーズ』(小学館)でオウム真理教事件を描き、次は連合赤軍事件だろうという予感はあったのだが、その期待に応えてくれたことになる」(「ダ・ヴィンチ」07年12月号)とのべた。 ここでは呉は『ビリーバーズ』=オウム事件という把握をみせている。 やはり漫画解説者である南信長も『ビリーバーズ』について「まあ、オウムとかそういう新興宗教的なものがモチーフとなっていましたよね」(「SIGHT」vol.23)と指摘している。 だが、評論家の仲俣暁生が、『ビリーバーズ』は「言われるほどオウム事件の影は強くなくて、オウムの
2006年12月10日放映のNHKスペシャル「ワーキングプアII 努力すれば抜け出せますか」は、前作「ワーキングプア 働いても働いても豊かになれない」の第2弾。 非常に戦闘的な、言い換えると論争的な中身だった。 前作はワーキングプア(働く貧困層。生活保護水準以下ととりあえず規定されている)の実態とそれを生み出す構造を描いた。これにたいして、「II」はもちろん引き続きワーキングプアの実態を描くのだが(前作に1400通もの反響があり、キャスターの鎌田自身も未曾有の経験だという)、サブタイトルにあるように「努力すれば抜け出せる」という議論に、ルポを通して反論している。 「努力すれば抜け出せますか」という疑問、そして反語として。 「ワーキングプアといっても、努力すれば抜け出せるではないか」――これは自己責任論にもとづく最も有力な議論である。実際にインターネット上でも前作への反響としてこのような議論
さらば!「豊かな国日本」 (桐原 涼=経営評論家) もはや豊かな国ではない もはや日本は豊かな国とは言えない。昨年末に内閣府が発表した「国民経済計算確報(2006年度)」によると、日本の1人当たりGDPはOECD加盟30カ国中18位となった。2000年度時点では世界3位にあった日本の1人当たりGDPは、以降毎年順位を下げ、今では下から数えたほうが早い位置にまで低下した。 「国民経済計算確報」のデータをもとに、世界における日本の豊かさの位置づけを整理してみよう。1人当たりGDPが5万ドルを超える最上位グループには、ルクセンブルクや、ノルウェイなどの北欧諸国が並ぶ。そして4万ドル前後の第2グループには、アメリカ・イギリス・カナダなど欧米の主要国が位置する。日本の位置づけはその下の第3グループである。 1人当たりGDPが3万ドル前後のこのグループには、日本のほかにイタリア・スペイン・ギ
HALTAN 「暇」なので更新頻度の高いブログ。内容は毎日毎日、似たようなことしか書いていません。行き掛かり上、「リフレ」とか「経済成長」とか書くことも多いが、別に経済学に詳しいわけでもないのでそういうのはもう止めようかとも思っている。
HALTAN 「暇」なので更新頻度の高いブログ。内容は毎日毎日、似たようなことしか書いていません。行き掛かり上、「リフレ」とか「経済成長」とか書くことも多いが、別に経済学に詳しいわけでもないのでそういうのはもう止めようかとも思っている。
最近、このブログのコメント欄や別ブログの方でちょっとくだらない議論をいくつかやってしまったのだけれど、その中でわたしのことを「左翼」と決めつける人がいたり、また別の人が「左翼とは思わない」と書いたりと、わたしの政治姿勢そのものが議題となった。また、どちらのブログにおいても経済学に関連した話題を取り上げることが最近増えており、なぜフェミニズムやセクシュアリティなど社会的公正の問題を中心的に扱っているブログにこうして経済学の話が頻出するのかと疑問に思っている人もいるのではないかと思う。本来わたしがどういう思想の持ち主であっても言っている内容を議論するのに関係ないだろうとは思うのだけれど、左翼フェミニストだから云々と「隠れた意図」まで想像されてあれこれ言われているようなので、今回はそのあたりを以前にも軽く取り上げた Thomas Sowell『A Conflict of Visions: Ide
ハウス・ミュージック。このBlogではあまり触れないけれど、流行ってますねぇ。DJ Kawasakiを筆頭に、Studio Apartmentとか、Daishi Danceとか、Free Tempoとか、街に出ればハウスを聴かない日はないもんなぁ。沖野修也チルドレンのDJ KawasakiはViViモデル(最近はSpringにも出ているらしいけど)の藤井リナを利用して若い女の子層にアピールしていたり、Avexがトランスの次に流行らせようとマーケティングを仕掛けていたり。まぁ、今クラブで一番可愛い女の子が多いのは、間違いなくハウスのイベントですよね。最強のモテ系ジャンル。もちろん、流行っているからダメというわけじゃなくて、個人的に大好きなハウスのアーティストはたくさんいるし、なんといっても、クラブ系音楽で一番馴染みやすいし踊りやすいから、貴重な存在だといえる。 で、Houseのことをもう少し
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