最近仕事の関係で埼玉県某所の倉庫によく行っている。そこは自社製品の保管を委託している倉庫で、自社製品のほかにお菓子や婦人靴、CD全集などいろんな製品が出番を待っていて結構楽しい場所だったりする。先日も缶コーヒーを所長にご馳走になりながら、倉庫の隅に山済みされている本のパレットについていろいろ教えてもらった。 パレットに堆く積まれた数万冊単位の本は、全て返品され焼却処分になった本だという。その多くは自費出版で作られた本で、本屋の棚に置かれることもなく、ある契約上の一定期間の経過と共に、この倉庫に集められ焼却されるのだという。ぺらぺらめくって見ると、なるほど誰も買いそうにない本ばかりである。自己陶酔型の小説、子供の成長を記した本や、詩集、どこかの異郷を旅した感想文、誰かが死んでしまって悲しいぞ系の本が、無残な姿でパレットに整理されていた。文章を書く身として非常に辛い現場であるが、これが現実なの