1998.5.25 新橋にて 斎藤(以下S) 『CURE』観せて頂いたんですが、ただ「面白い」と単純に言い切ってしまうのがもったいないくらいでした。ああいうサイコ・ホラー的なものは職業柄、ちょっと意地悪く構えて観てしまうんですけど、そういう点からみても破綻がないと言いますか、非常に興味深く思ったんです。まず『CURE』の話からさせて頂くと、事前に何か取材をしてから臨まれたんでしょうか? 黒沢(以下K) ほとんどしてないんです。僕が脚本書いたり、映画作ったりするときのやり方なんですけど。何にも調べないで、でまかせに頭の中だけででっち上げるんです。それを後、助監督とかに「本当にあってるだろうか?」って調べてもらったりはしますね。彼(助監督)も専門家じゃないんで、専門家の方とかに訊いてもらったりして、「ここはさすがに違うようです」っていうようなことがあれば直したりしますが。違うってわ