熊本大で見つかった解剖名簿=熊本市中央区の同大臨床医学教育研究センターで2013年5月9日、澤本麻里子撮影 熊本大医学部は9日、前身の熊本医科大が1927〜29年、九州療養所=現・国立ハンセン病療養所菊池恵楓(けいふう)園、熊本県合志(こうし)市=の入所者の遺体から骨格標本を作製していたと発表した。標本は第二次世界大戦中の空襲で焼失したとみられ現存していない。専門家は「遺族の承諾を得ていない可能性があり重大な人権侵害」と指摘している。【澤本麻里子】 ハンセン病を巡っては2005年に胎児標本が療養所などで保管されていたことが判明、国が謝罪している。菊池恵楓園入所者自治会は9日、園に対し遺体提供を裏付ける資料などの調査を文書で要請した。 熊本大医学部によると4月下旬に学内資料を調査した際、一般の解剖者名簿とは別に、ハンセン病患者だけの解剖名簿が見つかった。 1927〜29年に43体を解剖