先日の記事のなかで、NHKの『33か国共同制作・民主主義〜世界10人の監督が描く10の疑問 』というシリーズのなかの、デンマークの「風刺画事件」を扱った番組のことを少し書いた。 あそこには本当に結論的なことだけを書いたのだが、番組(フィルム)の作り手のスタンスについては、首をひねる点の多々ある内容だった。 デンマークの新聞がイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を掲載したことがイスラム圏の猛反発を招き、抗議デモが起きて大使館が焼き打ちされるというようなことも発生した。 この記憶に新しい事件を、デンマークのジャーナリストが検証する内容だったのだが、非常に月並みな内容、という印象を受けた。 そこには、「表現の自由」を圧力や暴力によって脅かされたという被害者意識のようなものだけがあり、異なる文化圏の人たち、それも自分たち(の文化圏)が長らく支配や抑圧・蔑視の対象にしてきた文化圏に属する人たちの感情