付箋という名前を初めて知ったときは、「なんだそれ」と思ったものだ。付箋自体はずっと前から知っていたけれど、それが付箋という名前だと知るのにしばらくかかった。あの四角くて細長い、半分が紙とくっつく小さいメモ用紙で、本の上から覗いているカラフルなヤツ。あれはどんな名前なんだろう?と中学校くらいでずっと思っていた。そうしたら「ふせん」だと言われた!「へ?」と思ったものだ。困惑気味だった。あの物体は全然「ふせん」っぽくないと思う。もっとシャープでオシャレでかっこいい名前が妥当だろうって思っていたのに、「ふせん」だ。なんて気の抜けた名前なのだろう。「ポストイット」は良い。あの物体は確かにポストでありイットであるという力強い説得力が感じられる。でも「ふせん」は何だかなあ〜である。「とうふ」「すあま」そんなのと似ていると思う。 他にもそんなことはある。「∂」という記号だ。偏微分の数学記号。これは高校時代