2021年10月24日のブックマーク (2件)

  • 漱石徒然草・5|fufufufujitani

    にはすぐれた読解が紹介されている。斉藤秀雄「真珠の指環」の役割と意味、である。 斉藤は「それから」の指環に注目する。真珠の指環は三千代が代助からもらったものである。ある時は指にはまり、ある時は質屋に入る。指環の履歴から導き出されるのは、作が代助の恋愛物語ではなく、三千代の恋愛物語である、という結論らしい。私は当該論文読んでいないからこれ以上は説明できないが、実際に「それから」を読むと、指輪が気になる書き方を作者がしている。 私見では「それから」は「ニーベルングの指環作品群」に含まれる。 そう考えないと、冒頭の足音、下駄、心臓などか説明できないのである。もしもこの仮説が当てはまるならば、「それから」は下敷きを知らないと読解できない半端な作品ということになる。 夏目漱石は、近代日文学最大のスターである。漱石作品は(大多数は人気がなく、あまり読まれていないのだが)部分的には多くの国民がどこか

    漱石徒然草・5|fufufufujitani
    hitonakasakimi
    hitonakasakimi 2021/10/24
    漱石、「それから」、解釈、指環、ニーベルングの指環、階級闘争、手塚、還魂脱骨、本地垂迹、伝統、日本化、強引、百物語、ファウスト、比較、ゲーテ
  • 漱石徒然草・4|fufufufujitani

    今までの論述でお気づきになられた方もいらっしゃると思うが、研究者は「野分」「門」「彼岸過迄」全て同じパターンで読解を間違えている。 単体ではポジティブにもネガティブにもとれる文章があるとする。文学なのであって当然である。どちらに読むかの結論は全体の構成から導き出される。ところが研究者はまずもって文章を全て逆に読み、その解釈をフィックスして全体の構成を考える。よって全体が見えなくなる。ワンパターンな間違いなのである。 研究者は「野分」はラストの白井の借金問題解決をポジティブにとらえている。しかし借金問題解決と同時に、高柳君に死の危険が迫っているのである。つまり借金は解決しているが、白井にとっても高柳にとってもネガティブなラストなのである。 次に「門」のラストを見てみよう。 **** 御米は障子の硝子に映る麗かな日影をすかして見て、 「当にありがたいわね。ようやくの事春になって」と云って、晴

    漱石徒然草・4|fufufufujitani
    hitonakasakimi
    hitonakasakimi 2021/10/24
    門、彼岸過迄、野分、誤読、研究者、言語、多義性、意味、確定、城の崎にて、