山間部に位置する秩父市大滝の強石(こわいし)地区で、元会社員の立川肇さん(30)が、長い間空き家になっていた元旅館を買い取り、宿泊施設「ゲストハウス錦」を始めた。立川さんは「秩父を良くしたい。埼玉を盛り上げたいと思っている。外国からもどんどん遊びに来てほしい」と話している。 ゲストハウスとは、サービスを省いて安価で部屋を提供する宿泊施設。立川さんは新潟県生まれ、伊奈町育ち。3年ほど前、カナダやアメリカを旅行した時にゲストハウスを利用した。そこで宿泊客との良い出会いがあり、オーナーにも世話になった。その恩返しの気持ちも含め、「自分でゲストハウスを経営したい」と思い立ったという。 大阪などのゲストハウスで働いた後、埼玉県内で物件を探し始めた。山が好きだったこともあり、縁故もないままに昨年11月から秩父市内に住みこんで探し続けた。街なかには適当な家が見つけられないなか、人づてに山間地にある元旅館