今回は前後半ともにテーマ性の強い原作をアニメ化。正面から力をこめてアニメ化することで、説教臭さより力強さを感じさせた。 コンテ演出は八鍬新之介で、後半のコンテのみ大宅光子。Aパートで川を俯瞰で見せたカットや、Cパートで野球のボールが空中にのぼったカットなど、かなり風景の精度が高かった。ひょっとしてgoogleマップなどを活用したのかもしれない。 Aパートは、川をきれいにして魚を戻そうとする自然保護活動を、鮭のかわりに酒でなぞらえて描く。リニューアル前にアニメ化した時も傑作で、印象に残っている。 稚魚の動きや酒瓶の質感など、全体の作画がいい。酒瓶が魚のように泳ぐバカバカしい情景も、リアルな背景美術によって、幻想的に演出されていた。 いかにも水野宗徳脚本らしく、家族の人情味も増していた。パパの日常を原作よりふくらませて点描し、酒くらいしか楽しみのない、しかし不幸でもない男として映し出す。そうい