― 介護者の主体性を問う ― どうも自立生活センターなんかにいると、「介護者の主体性」なんてことは問題にしてはいけないことになっているようにも思う。 ある時から、ぼくはそのことに疑問を感じ、「介護者に主体性ってあると思う?」とときどき人に問うようになっていた。 今のぼくは基本的には介護者には主体性が必要だ、と思っている。ただやはり、新しく自立生活センターに来た介護者なんかに尋ねると、彼らはそんなのないですよ、と、多少苦々しい顔つきをしながら答える。そしてぼくは彼のその言い分を理解する。 介護者の主体性は出してはいけない、というのが「介助」の一つの教えであり、スタンスである。それはそれで正しいが、しかし、それだけではない。介助者は口を出すな、とも言われ、もちろん口を出すべきでない場面は圧倒的に多い。しかし、それだけではない。もっと他の側面もあるはずである。 実は古くから運動をやっている障害者