高齢者になって仕事がなくなり、年金も思ったほどもらえず、虎の子の資産も底をついたら──。あなたの最後のセーフティネットである「生活保護」について、大蔵省(現・財務省)の元官僚で『生活保護の謎』の著者であるジャーナリストの武田知弘さんにお話を伺った。武田氏:日本はいま、未曾有の高齢化社会へ突入しています。少子高齢化はますます進み、若年層は減る一方です。日本年金機構の2009年度の発表によると、国民年金の未納率が40%を超え、1人当たりの年金受給額も1999年度をピークに減少し続けています。 いまの60代、70代の人たちというのは、しっかり年金を払い続けてきた世代ですし、特に厚生年金加入者の受給額はまだ恵まれています。 問題は、いまバリバリ働いている40代以下の若い人たちが、老後を迎えたときです。非常に厳しい状況に立たされる人は確実に増えます。受給対象年齢が上がったり、受給金額が下がったりする