『おしまいのデート』は、普通の人々の、よくあるようなお話です。けれど、瀬尾まいこさんが描くと、どのお話もいとおしく、切なくなります。 瀬尾まいこさんは、私たちが邪険に扱ってしまう普通の日常を、丹念に拾い集めて磨き上げ、私たちの前に見せてくれます。だからどの物語も愛おしいんです。 『おしまいのデート』掲載作品 ・別々に住んでいるおじいちゃんと孫の「おしまいのデート」 ・卒業した教え子と教師が、月に一度定食屋で玉子丼をたべる「ランクアップ丼」 ・今まで全く話したことのない同級生男子に誘われ「デート」をすることになった「ファーストラブ」 ・公園に捨てられた犬をめぐる男女の不思議な交流「ドッグシェア」 ・シングルファザーの父兄と恋仲になってしまった幼稚園の先生と、園児のかんちゃんの「デートまでの道のり」 私が特に好きなのは、不良の男子学生が先生と一緒に玉子丼を食べる『ランクアップ丼』です。 ランク