日本の展望―学術からの提言 2010 平成22年(2010年)4月5日 日 本 学 術 会 議 『日本の展望―学術からの提言2010』の公表に際して 日本学術会議は内閣府に所属する特別の国家機関であり、科学者コミュニティを代表し て政府や行政に対して、勧告、要望、声明、提言などにより国の政策や学術に関して意見 具申をする機能を持ち、人文・社会科学から生命科学、理学・工学など全ての学術分野を 統括してその発展に寄与する。言い換えれば、日本学術会議は、我が国の学術全体を複眼 的かつ俯瞰的に見ながら長期的に展望することを一つの使命としている。 こうした考えに沿って、2002 年 12 月、当時の吉川弘之会長の下で長期的で調和のとれ た助言として報告書『日本の計画 Japan Perspective』を世に問うた。その骨子は、地球 の物質的有限性と人間活動の拡大によって生じた問題を 「行き詰まり問