雑協の生産環境委員会で検討中の「出版共通用紙」開発構想はグラビア・コミック・更の3分科会で各出版社の用紙情報の集約化やそれを基にした試作品の開発・印刷テストなど作業が進んでいる。 コミック用紙は各社の要望を汲み入れた試作品の製造に漕ぎ着け、今年度中に2、3種類の標準品を提示できる目途が立った。更用紙については現行より薄手の米坪40グラムの試作品の開発段階である。また、女性誌などが主流のグラビア用紙は多品種などを理由に調整がやや難航している。 〈標準用紙〉の機運の背景には雑誌販売が低迷する出版社の台所事情がひとつにはある。これまで出版社は創刊誌などで“専用紙”をその都度“特漉き”してきた結果、用紙の種類は数千種類にも膨らみ、非効率を生んだ。 販売部数が右肩上がりのときはそれでも問題なかったが、反転すればメーカーや紙代理店からみればロットが少なく、扱いづらい商品となる。そこに用紙の2年連続値上