「まるでUFO(未確認飛行物体)」「江戸時代にこんな不思議な絵が描かれたなんて」 うつろ舟伝説の関連史料の中でも代表的な「漂流記集」(江戸時代後期、万寿堂編)を所蔵する西尾市岩瀬文庫(愛知県)では、必ずと言っていいほど、来館者が驚きの声を上げる。海外からファンが訪れるほどの人気ぶりだ。 漂流記集は、当時の中国船やオランダ船などの漂流事件の記録を集めている。そこに登場するうつろ舟の姿はやはり円盤状で、下部が逆円すい型。何といっても鮮やかな着色が特徴だ。さらに現代文にすれば、こう記されている。 「材質は鉄で朱塗り。縦は一丈一尺(3.3メートル)、横は差し渡し三間(5.5メートル)。全部鉄。筋金は南蛮。縁は黒塗り。自由に開けられる。この場所は水晶。窓は硝子で格子は水晶。全部紫檀のように見えたがよく分からない」 史料は同館創設者で資産家の岩瀬弥助氏が収集。同館の学芸員は「江戸時代の史料は難しいイメ