大学院に入るときに、「天文と音韻には手を出すな~」と誰かから言われたような記憶があります(この辺り曖昧)。 これは、前者は研究を評価できる人が少ない、後者は難しい、というのが理由だったかなあ。 それでも、材料が少ない先秦の研究では、やっぱりこの辺りの知見も蓄えていく必要があるわけで、折に触れ関係書を読んだりする機会があります。 前に書いたネタも音韻関係で引っかかったりしたわけですが、この本も図書館で見かけたので借りてきました。 著者の小沢氏は、二つの分野で自分の中で記憶されていました。 『史記正義』の校勘・佚文収集作業の研究者として 中国古天文学の研究者として 一つ目の業績に関しては、『史記正義の研究』史記正義研究会/編。1994。汲古書院。にその内容が詰まっています。そのときにも、編纂グループのボスであり、この分野の泰斗である水澤利忠氏の説に対して「駄目なとこは駄目!」と鋭くかつ容赦なく