がんの治療を受けるとき、「病院によって生存率が3割以上違う」と聞けば、生存率の高い病院を選びたくなるのが人情だろう。全国がんセンター協議会は10月22日、がん診療を受けた患者の、病院と部位ごとの5年生存率などを発表した。このデータをどう見れば、「いい病院」を選べるだろうか。 今回のデータは、全国のがん診療の中核的な役割を担う28病院を対象にしたもの。それでも、がんの5年生存率のトップの病院と最下位で比べると、胃がんで24ポイント、肺がんで33.3ポイントといった大きな差になった。 だが、この数字だけで病院を選ぶのは、早計である。 発表されたデータは生存率だけではない。今回発表された「1期/4期比」という数字も重要だ。 この数字は、最も早期の1期と最も進行した4期のがん患者数の比だ。この数字が大きいほど、「早期患者が多い」ことになる。逆に小さいと、がんが進行した患者を多く診療している