名古屋大学は、重症筋無力症における筋力低下が起こる病態メカニズムを明らかにしたと発表した。抗「筋特異的受容体チロシンキナーゼ」(MuSK)抗体陽性重症筋無力症患者では、抗MuSK抗体が神経筋接合部において「アセチルコリンエステラーゼ(AChE)/コラーゲンQ(ColQ)複合体」とMuSKの結合を阻害することにより、AChEと「アセチルコリン受容体」(AChR)の両者が減少し、筋力低下が起こるというものである。研究は名古屋大学大学院医学系研究科神経遺伝情報学の大野欽司教授らによるもので、成果は10月19日に米神経学会専門誌「Neurology」のプレプレス版に発表され、11月15日付けの同誌にも掲載予定。 重症筋無力症は、神経筋接合部に発現する分子に対する自己抗体が作られることにより発症する自己免疫疾患の一種であり、筋力低下、易疲労性、目瞼下垂、嚥下障害、呼吸困難などを主徴とする厚生労働省指