母のことは大好きでした。 母は、容姿端麗冷静沈着計画綿密不言実行南無八幡大菩薩、みたいな人でした。 わたしは母とは違って、猪突猛進大胆不敵無鉄砲厚顔無恥移り気食べ放題みたいな人ですから、わたしが何かをしようと思ったときに、母が憂慮する気持ちもわかるのです。 わたしが何かをやりたいというと、 母は必ず 「・・・やめたら?」 と言いました。 それは、たいていの場合、 「やめなさい!」でもなければ「○○だから、やめた方が良いと思う」でもありません。 「・・・やめたら?」 なのです。 わたしの脳内変換もあると思うのですが、何かをしようと思ったときに、母に賛成をしてもらった記憶がほとんどありません。 自分のやりたいこと、したいことを、言い「どうして?」と聞かれて、その理由を説明をしても、母に「いいと思う」「そうしなさい」と言われた記憶はないのです。 「・・・やめたら?」 です。 もちろん理由は聞いて