「まるで小さい子供と握手しているみたい」 思わず、こんな感想が口からこぼれた。記者が握っているのは、人間の手ではない。ソニーグループ(ソニーG)が開発する「繊細な人の手を再現する」(同社)というロボットハンド技術(マニピュレーター)だ。 「握手もできますよ。握っていただけませんか」。ロボットハンドの説明を受ける中でいただいた提案である。「こんな機会はなかなかない」と、記者はとっさに飛びついた(動画1)。 そっと差し伸べた手をロボットハンドの「手」が包んだ。かすかな力だが、上下左右に動かしても追従して離れない。ロボットというよりも、赤子の手を握っているような感覚だった。 センサーで滑り落ちる予兆をキャッチ ソニーGが開発するロボットハンドは、未知の物体であっても必要最小限の力で握れる点が特徴だ。同社によると、つかんだ物体が滑り落ちる前に起きる「初期滑り」と呼ばれる現象に着目したという。対象物
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