圧倒的な才能というものがある。それを眼前に突きつけられる。いままで自分のしてきたことが卑小に感じられる。強く光を放つその才能を前に、自身の積み上げてきたものがとても恥ずかしいものに感じられた。ゆえに私は日記を書くことが恥ずかしくなってしまった。どうしたの?って、草壁サツキの文才がすごかったのだ。 草壁サツキというのは、スタジオジブリ制作の映画「となりのトトロ」にでてくる小学六年生の女の子である。彼女の母はわけあって入院している。その母へ宛てる手紙がとても読ませるものだった。サツキの文面に私の心は粉砕されたのである。 その手紙は劇中で2回目の便りであった。サツキがバス停でトトロなる幻獣に出会ったことを報告する内容であった。 お母さん、まだ胸がどきどきしているくらいです。 この一文ではじまる。すごい。読ませる。え?なにがあったん!?と思う。読者を引き込む重力がある。草壁サツキの文章はブラックホ