二月に入り、遠子先輩の卒業は刻一刻と近づいてきている。心葉はななせと付き合い始め、けれど、ふとしたときに心葉の脳裏には遠子先輩の顔が浮かび、そのたびに胸を刺すような痛みを覚える。別れを思わせる言葉を発する遠子先輩。心葉とななせの仲を裂くために行動するという流人。心葉と不思議な文学少女との物語の最終章が始まる。 ついにやって来てしまったラストエピソード。物語は遠子先輩の確信へと迫り、彼女自身の出自や境遇が少しずつ明かされてきています。いつも笑顔を絶やさずに、心葉を元気づけるかのように振る舞っていた彼女の触れることのできなかった部分に、心葉はついに手を伸ばしていきます。それは、心葉自身が心から望んだことではなく、流人の遠子先輩を想うがあまりの暴走とも取れるような独断の結果ではありますが。 ななせとの日常は心葉にとってどういう意味を持っているのか。ようやくひとなみに恋愛をしようと思えるようになっ