公的年金の積立金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が今年4~6月期に5兆円の運用損失を発生させたことが話題になりました。大切な老後資金の原資とあって、広く国民の関心を集めています。金融ジャーナリストの浪川攻さんは、短期の運用結果より、GPIFの組織や運用に関わる「非透明性」が問題だと指摘します。 【GPIF保有の銘柄上位】 ◇株式の運用比率を高めたGPIF GPIFによる積立金運用が注目されるようになったのは、従来、国債などの安全資産が大半を占めていた資産配分を見直し、株式の運用比率を高めるようになったからだ。2014年10月に株式の運用比率は2倍に拡大された。ところが、今年の4~6月期に株式相場が大きく下落し、5兆円の運用損失が生じたという話である。 損失と言っても、あくまでも保有資産の評価損だ。さらにいえば、年金資産運用は長期運用であり、3カ月という短期的な