コロナ禍で多くの企業が早期・希望退職の実施に踏み切っている。応じてもいいのだろうか。早期退職経験者で、現在は行政書士として中高年の相談を多く受けているという寺田淳氏は「早期退職で失敗する人には共通点がある」という――。 「なぜ生え抜きの私が優遇されないんだ」と退職 ほぼ一昔前の2008年秋から始まったリーマンショックの時に、生き残り策の一環としてのリストラや割り増し退職金による早期退職勧奨が多くの企業で実施されました。 そして今、先の見えてこないコロナ禍によってあの事態が再来する可能性が濃厚になっています。実際に早期退職に応募した結果、明暗が分かれたケースは少なくありません。ここでは実例に基づく、早期退職後の失敗例の中から、特に管理職世代を中心に紹介したいと思います。なお、年齢と役職は退職時のものです。 【事例1】処遇への不満からの選択 ・55歳営業企画部部長 「なんで生え抜きの私が彼の下