── 石川さんのことを知ったのは 20年ちかく前、まだ大学生のころでした。 石川 ああ、言ってましたね。 ── 当時、男性ファッション誌の 『MEN'S NON-NO』をよく買ってたんですが 毎号、後ろのほうの見開き2ページで 自分と同い年くらいの「石川直樹」って人が 写真とエッセイの連載をしてたんです。 石川 やってた、やってた。 たしか「星の航路、書物の海」みたいなやつ。 ── 自分は、単なるだらけた学生にすぎないのに この、同い年くらいの石川直樹って人は 「遠くの国まで出かけて行って 写真を撮って、エッセイまで書いてるのか。 何て、うらやましい!」と。 石川 あはは(笑)。 ── もちろん「すごいな」って感情もありつつ、 でも、それより 「いいなーこの人、うらやましい!」 という気持ちのほうが強かった気がします。 自分の「誰でもなさ」を棚に上げて。 石川 いやいや。でも、そうですか。
谷川俊太郎さんが一夜で綴り、 松本大洋さんが二年かけて描いた絵本──。 ようやく、『かないくん』という 特別な絵本をみなさまにお届けできます。 ぜひとも、読んでもらいたい本です。 『かないくん』の発売にあたって、 まずは、谷川俊太郎さんと松本大洋さんに 対談していただきたいと考えました。 二年という時間をかけて完成した本を真ん中に置いて、 詩人と漫画家がどんなことばを交わすのか、 とても興味があったのです。 この絵本をつくるに際して、 谷川俊太郎さんと松本大洋さんが 直接顔を合わせるということはありませんでした。 まず、谷川さんが物語をつくり、 それを大洋さんに読んでいただいて、 絵にしていただきました。 描きあがっていく絵を、 要所で谷川さんに見ていただきました。 谷川さんは大洋さんの絵に まったく注文をつけませんでしたし、 大洋さんは谷川さんのことばを 絵の都合で調整したりしませんでし
開幕前の読売ジャイアンツを取材し、 今季の展望を監督に訊く、 というのがここ数年の糸井重里の恒例でした。 しかし、今年は、例年と大きく違うことがあります。 そう、糸井重里の前に座っているのは、 高橋由伸新監督です。 誰もが驚いた原前監督の辞任、 そして、高橋由伸選手の引退、 第18代巨人軍監督就任という急展開。 おそらく、ファンも、選手も、 まだどこか落ち着かない気持ちを抱えています。 オープン戦がはじまったばかりの2月20日、 高橋由伸監督に、さまざまなことを問いかけました。 返ってきたのは、真っ直ぐなことばばかりでした。 高橋由伸(たかはし・よしのぶ) 1975年4月3日生まれ。千葉県出身。 桐蔭学園では甲子園に二度出場。 高校通算30本塁打を放つ。 複数のプロ球団から誘いを受けるも、慶應大学へ進学。 1年生からレギュラーを獲得する。 3年間の通算本塁打数23本は 現在も六大学野球の最
3月11日になって、 東日本大震災から3年になりました。 こないだ、 「震災は風化したと思いますか?」 というアンケートを目にしたのですが、 風化ってどういうことなんだろう? と改めて考えてしまいました。 気仙沼に住んでいるからかもしれませんが、 震災によって引き起こった出来事は、 常に今の問題であるように感じます。 震災が起きたことが、 今の自分に大きく関わっているとも 思っているからかもしれません。 私は、気仙沼に来て だいたい2年になります。 振り返ると、私は震災がきっかけで 気仙沼に移り住みました。 それと、結婚もしました。 そう考えると、 今の自分を作っている要因のひとつが 震災なのかな、という気がしています。 逆に言うと、私は、震災が無ければ、 気仙沼に来る事もなく、 気仙沼のほぼ日で働くこともなく、 こんなに気仙沼のことで、 悲しんだり怒ったり喜んだりすることも なかったんだ
── 高橋先生が、主にお知り合いへ向けて サイエンス関係のトピックを配信されている 「ミッチーメイル」、 毎号、とても楽しみにしております。 髙橋 うれしいです(笑)。 ── 7月に配信された「137号」で 「第3の人類・デニソワ人」に触れておられ、 「誰それ!?」と、すごく興奮しまして、 詳しくうかがいたいと思い 今日は、ワクワクしながらやって来ました。 髙橋 専門じゃあないんで、聞きかじりですけど。 いろいろ脱線もすると思います。 ── これまでも「ヒト」に対する深い知見から 「睡眠」や 「太る」について おもしろいお話を聞かせてくださった先生なので デニソワ人から 話がどこへ行こうと構わない気持ちです。 髙橋 それは、気がラクです(笑)。 ── それでは、さっそく「デニソワ人」について かいつまんで話しますと 「ヒトつまり、われわれホモ・サピエンスには たくさんの『先人』がいるけれど
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