今週、公表された10月の経済指標は、軒並み強いものだった。この勢いなら、10-12月期のGDPは、3%近い高成長が期待される。ただし、災害続きでマイナス成長だった7-9月期の反動増が大きく、むしろ、基調は衰えを見せる。昨年までの輸出の好調さに慢心し、緊縮型予算で臨んだところ、今年に入って輸出が失速し、緊縮に足を取られた形だ。せっかく、設備投資が動き始めたのに、景気は勢いに乗れずにいる。この分では、次の1-3月期は、再び落ち込むジグザグコースをたどりそうだ。 ……… 10月は、日銀・実質輸出が前月比+6.6と伸び、7-9月期より+3.0高い水準だった。鉱工業生産も前月比+3.0と、7-9月期比+2.8であるだけでなく、11,12月の生産予測を単純に延長すると+4.0にまでなる。しかし、これらには、7-9月期の実質輸出が前期比-2.1だったり、鉱工業生産が-1.5だったりした反動増が含まれる。