特集「保育園問題の不合理」Part2 株式会社の参入に拒否反応を示す社会福祉法人は、株式会社は利潤を追求し保育の質は二の次だと言うが、本当にそうだろうか。社会福祉法人は曇りのない経営をしているのだろうか。(「週刊ダイヤモンド」編集部 清水量介 深澤献) 東京都の認可保育園の9割が加盟する東京都民間保育園協会の事業計画にはこう書かれている。 「公立保育園の民営化については、社会福祉法人を中心に受託していくことを推進する」 現在、全国の自治体は、財政難から公立保育園の民間への委託を進めている。前章で紹介したように株式会社の認可保育園への参入は激しい抵抗に遭い2%以下にとどまっているが、それは新設だけでなく公立の民営化という場面でも同じだ。団体はわざわざ事業計画にそれを明言しているのだから。 そして、株式会社の不遇はなかなか認可が下りないというだけではない。狭き門をくぐったあとも、徹底的に差別さ