【ソウル=豊浦潤一】第2次世界大戦中に日本の植民地統治を受けていた朝鮮から日本に強制徴用されたとして韓国人4人が新日鉄住金(旧新日本製鉄)に損害賠償を求めた訴訟の差し戻し控訴審で、ソウル高裁は10日、同社に損害賠償の支払いを求める判決を言い渡した。 韓国で個人の対日請求権を認め、日本企業に賠償を命じる判決が出るのは初めて。 同訴訟をめぐっては、韓国最高裁が昨年5月、個人の請求権は有効との初めての判断を下し、原告の請求を棄却した2審判決を破棄、同高裁に差し戻していた。 日本政府は1965年の日韓請求権協定により個人の請求権は消滅したとの立場で、日本の裁判所は韓国人らの請求を退けてきた。