グローバル化する世界、あるいはフラット化する世界と言われるなか、実際の世界で現実に進行しているのは”セミ・グローバリゼーション”、つまり部分的なグローバル化である。”セミ”(部分的)という部分に着目するなら、グローバリゼーションとしての世界理解や経営戦略は端的に失敗しているし、今後も失敗するだろう。”セミ・グローバリゼーション”という現実の動向を理解しなければ国際企業も、また実際には”セミ”の部分で対応が迫られるローカルな企業も、未来において生存できない。 世界動向を見据えようとする思索はしばしば大局的なビジョンをシンプルに掲げることが多いし、そのようにシンプルに書かれた書籍は通俗啓発書のように理解しやすいものだが、現実からは乖離してしまう。経済活動に限らない。文化面でも「日本語が亡びるとき(水村美苗)」(参照)も同じような陥穽にあるように見える。世界の現実は、非常に込み入った”セミ・グロ