広重「浅草川大川端宮戸川」 宮戸川(みやとがわ)は古典落語の演目の一つ。 一般には2場面のうちの前半部分のみが演じられ、お花半七馴れ初め(おはなはんしちなれそめ)あるいはお花半七(おはなはんしち)という演題となることもある。 宮戸川とは、現在の隅田川のうち、浅草周辺流域の旧称である。前述のとおり噺の前半のみを演じた場合、宮戸川は場面に登場しない。 登場人物の「お花」および「半七」の名は、京都で起こったとされる心中事件をモデルとした歌舞伎や人形浄瑠璃(『長町女腹切』など)に使われたもの。 後半部分を含めて演じると長時間にわたる上に、(夢オチとはいえ)凄惨な展開となるため、口演される機会は少ないが、3代目三遊亭圓歌、3代目柳家小満ん、五街道雲助、金原亭世之介、古今亭菊生、柳家喬太郎、桂宮治らが通しで演じることがある。 小網町に住む半七は、友人宅で将棋を指していて帰りがすっかり遅くなり、親が厳格