敵です。それも、とんでもない強敵です。無駄に主語を大きくはしません。自分にとっての敵です。映画『サマーウォーズ』を観た一部の層の「死にたくなった」発言が賛否両論を巻き起こしたのは記憶に新しいですが、実のところこの言葉は作品への批判ではなく、ある種の絶賛として受け止めるべきではないでしょうか。観た人間の「なぜあの(素晴らしい)世界に自分はいないのか?」「この(つまらない)世界は、(つまらない)自分は、間違った存在なのではないか?」「時間よ(中高生の頃に)戻れ!」という切実過ぎる想いが、端的に形になった結果であるように見えるからです。さて、自分はと言えば、過去にさんざん『サマーウォーズ』を批判はしてきましたが、幸か不幸かそういった意味で「死にたく」はなりませんでした。あの世界がうらやましい、向こうに行きたい、とは全く思えなかった。並程度の親戚付き合いですでにうんざりしている身としては、あんな保