森田季節氏から原稿をいただきました。 ************************************* テレビ版の『もっけ』を見ていて、あらためてこの作品の特徴がはっきりと出た気がした。以下、つらつらと書くのは至極当然のことだ。つまり、『もっけ』の主題は子供が(とくに母)親から切り離され、外界に出て行くものだということを述べる。 まず、親といっても『もっけ』には、主人公の二人の娘、瑞生・静流の両親はあまり出てこない。これは設定上、祖父母の家で育てられているから当然なのだが、もちろんここから親がたいしたウェイトを占めてないなんてことにはならない。両親の役割はじいさんとばあさん(以下、このように表記する)が引き受ける。これも当たり前だ。物語は違うモチーフを使って、言いたいことを偽装する、あるいは隠蔽する。そもそも正面切って親から「子供が切り離されて成長していく話」を持ち出しても、