理化学研究所(理研)と東京藝術大学は5月24日、悲しい音楽は悲しみだけでなくロマンチックな感情も聴き手にもたらし、また、その作用が音楽経験の有無に関係なく引き起こされることを実証したと発表した。 同成果は、理研脳科学総合研究センター 情動情報連携研究チームの岡ノ谷一夫チームリーダー、川上愛ジュニアリサーチアソシエイト(現 客員研究員、JST ERATO岡ノ谷情動情報プロジェクト研究員)、東京藝術大学 美術学部の古川聖教授らによるもので、スイスの科学雑誌「Frontiers in Psychology」オンライン版に掲載された。 悲しい音楽や悲劇は、鑑賞者に悲しみをもたらすと考えられているが、従来の感情研究における「悲しみは不快である」という前提に立つと、聴き手が自ら進んで悲しい音楽を聴いたり、悲劇を鑑賞したりする行動は矛盾したものとしてとらえられ、芸術を生み出した人類にとって長い間の疑問と