リマのアパートや一軒家には、台所の裏あたりに半端な小部屋がくっついている。ほとんどの場合、窓はなく、装飾も一切なく、シングルベッドを入れたら、それだけでいっぱいになる。家族の部屋にしてはあまりに小さく素っ気ないが、まさかお仕置き部屋かタコ部屋というわけでもあるまい。かと言って物置にしては、簡素なシャワーとトイレがついているのが変である。 実はこれ、当地の中流以上の家庭なら雇っている住み込みのメードさんの部屋なのだ。中に入ってみると、小さなベッドにいす一つ。奥には1畳に満たないトイレとシャワー。これがメードさんが週6日の夜をすごす部屋のすべてだ。しかも、物置スペースのない家が多い当地では、しばしば掃除道具もこの部屋に放り込まれ、いっそう狭くなってしまう。 ペルーのメードさんは、みんな私たちと同じモンゴロイド系の黒目黒髪の女性たちである。白人が雇い主、アンデスやアマゾン出身の小柄な彼女たちがメ
医食同源、強壮食の「狗肉」 朝日新聞編集委員:加藤千洋 秋から冬にかけてが本番の広東の「野味」では狗肉(イヌ肉)料理も忘れられない。なぜ冬場がよいかというと狗肉を食べると体がぽかぽかと温まるからである。 中国では「医食同源」の漢方思想が庶民の間にもかなり浸透しているように感じる。病気の治療も毎日の食事も、健康を守るということでは根は同じとの考え方だ。 北京の友人から「それは体を冷やすもの。冬に食べるのはやめなさい」などとよく注意されたものである。 で、中国で狗肉は体を火照らせる強壮食品と認識されていることは、毎度ご登場願って申し訳ないが、周恩来首相が北朝鮮を訪問した際の逸話でおわかりいただけよう。 首相の主治医、張佐良氏の証言(「周恩来・最後の十年」日本経済新聞社刊)だが、招待した金日成主席は心から歓待し、ほとんど毎食、首相の宿舎で相伴した。メニューはいつも狗肉が主の料理で、あるときなどは
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く