だいぶ以前のことだが、ジャーナリストの松本創(まつもと・はじむ)さんと対談する機会をいただいた。松本さんは『誰が「橋下徹」をつくったか 大阪都構想とメディアの迷走(140B出版)』や『地方メディアの逆襲(筑摩書房)』などの著者で関西を地盤にご活躍されている気鋭の作家である。 対談は、松本さんが先に寄稿された、雑誌『世界』の特集「維新を勝たせる心理と論理」(2022年3月号)という記事をもとに、「維新の会」が支持されている背景について客観的に考察を行う企画だった。 松本さんはジャーナリストとして、一方の私は実際の政治の現場に身を置く者として、それぞれの立場から感じるところをお話した。対談の中には多くの気付きや感じるところがあり、大変有意義な催しであった。 松本さんは、維新関係者や支持者への丁寧な取材を通じて、現在の維新への圧倒的な支持は、巷間よく言われるような「マスメディア(による偏向報道)