<日本企業の入社式を取材したフランス人記者が「矛盾」を感じ、暗い気持ちになってしまった理由と、経営者に語って欲しかったこと> 4月1日に家電などの量販店を運営するグループの入社式に取材で出席した。「礼」などのリハーサルから式の終わりまで初めて目にしたが、入社式はフランスにはないものだから大変勉強になった。同時に、いろいろと考えさせられる経験だった。 新入社員はおよそ900人で、わりと大きい入社式だった。ルールも厳しかった。新入社員は会場内では自由に座ることはできず、前の数列は女性、後ろの数列は男性と決まっている。もちろん全員、黒のスーツに白のシャツ。司会者が「新入社員起立、礼、着席」と言ったら、全員同時に動く。それを本番前に何度も練習していた。数人でもタイミングが合わない場合は、やり直さないといけなかった。 社長の挨拶は約50分と長かったが、いろいろと興味深かった。もし私が新入社員だったら