原発事故が起きた地であるチェルノブイリと福島を観光の対象とし、ポジティブな“ダーク・ツーリズム”を提唱してきた哲学者の東浩紀。一方、工業都市・川崎のラップからヤクザ、ドラッグ、売春、貧困、差別までドキュメントした著書『ルポ 川崎』が話題の音楽ライター・磯部涼。2人が“スラム・ツーリズム”をめぐって激論を交わす! (写真/堀哲平) 本誌のルポルタージュ連載をもとに2017年12月に出版され、大きな話題を呼んでいる磯部涼著『ルポ 川崎』(小社刊)。音楽ライターである磯部氏ならではの視点で、神奈川県川崎市の主に川崎区で生まれ育ったラッパーやダンサー、不良少年らにインタビューを行い、そこから貧困家庭、高齢の生活保護受給者、外国人労働者らが集まる“川崎”をあぶりだしたノンフィクションだ。しかし連載中には、川崎の貧困地域を興味本位で訪れて描いた“スラム・ツーリズム”ではないか、という批判もあったという
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