長々このお話の続くところで最終回と成って参るのです。 竹山さんは演奏される時意外は少なくとも我々には普通のいいお爺ちゃんだった。 関係者も数度お会いしたり送迎するうちに打ち解けて、相変わらず青森の方言は理解不能だったが、分からないなりに会話が成立していたのは不思議な事だった。 最後の公演の頃は「爺ちゃん」と呼ぶのが大半で「竹山さん」と言うのはわずかだったように思う。 「爺ちゃんチョコレート食べる?」と聞くのが有って、返事を待たずして「もうえっとないわ、弟子に買をてもらい」などと子供じみた振る舞いをする奴まで出る始末、これは幾らなんでも年寄りがかわいそうだ。 幾度目の時であったか、公演が終了して翌日駅のホームに見送りに参ります。 電車に乗り込んで帰られる、主催者はここで腑抜けに成ります。一切のわずらわしさから無罪放免、開放されるからです。 そんな見送りの時であった、20人ばかりでホームにたむ