ワクチン接種も広まり、パンデミックも終息を迎えつつあるように思えてしまうが、フランスの精神科医ボリス・シリュルニクは気を緩めてはいけないと警鐘を鳴らす。さらに、今回のパンデミックの代償を払うことになるのは若者たちであり、失ったものを取り戻せない人も出てくるだろうと予想する。 ラ・セーヌ=シュル=メールに佇む精神科医ボリス・シリュルニク(84)の庭付きの家は、まるで天国のようだ。文字どおり4歩先には地中海が広がる。雲一つない10月の朝、世界は完璧に思える。 シリュルニクはホロコーストで両親を亡くした孤児にして、科学者、作家、そしてエマニュエル・マクロン大統領の非公式アドバイザーでもある。 彼の家のなかには、ジークムント・フロイトが持っていた寝椅子や古い剣の複製が飾られている。薄明りに包まれた部屋でシリュルニクは、ナチズムの渦中に送った子供時代や、自身が普及に貢献してきたコンセプト「レジリエン
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