日経情報ストラテジーは毎年1人、「データサイエンティスト・オブ・ザ・イヤー」を選出している。4回目となる2016年の受賞者は、パイオニアのデータサイエンティストである鎌田喬浩氏に決定した(写真1)。 2006年にパイオニアに入社した鎌田氏は2年目から一貫して、カーナビの新サービス開発に携わってきた経歴を持つ。開発プロジェクトに参加した2008年当時はまだ、ビッグデータという言葉もなかったが、当時からパイオニアには、カーナビから上がってくる大量のプローブデータ(車の走行データ)が存在していた。それらを分析し、カーナビの機能改善や新サービスの開発につなげられないかを検討する日々が始まった。 それから約8年。現在はビッグデータ分析の経験を生かし、AI(人工知能)の実用化にも動いている。カーナビに搭載したカメラで撮影した大量の画像を使い、画像から道路の渋滞を自動判別する新サービスの開発に取り組んで