すでに多くの方が取り上げられているはずなのでいまさらなのだけれども、今回の2011年の法人税率引き下げがほぼ本決まりとなったことで、3月末決算における「繰延税金資産」の取り崩しの問題が現実化している。 繰延税金資産というのは、税法と会計ルールが微妙に異なることから生じるいわゆる「税効果会計」からもたらされる「資産」である。たとえば、ある会計年度である資産に実質的な毀損が生じたとしよう。会計的には保守的にそれを損失計上することになるとしよう。一方でそれが税法上の「損金」に計上できなければ、会計上は損失、税法上は損失ではない、ということになる。財務諸表はもちろん会計ルールをベースに作成されるので、損失は計上するのだが、その損失計上分は「損金」ではないので法人税率分の税金は取られる。しかしこの税金は実際は損失にかかっているので、逆に将来利益が出ている場面ではその損失ぶぶんについては逆に税金を払わ