ふつーのプログラマです。主に企業内Webシステムの要件定義から保守まで何でもやってる、ふつーのプログラマです。 真夜中にかかってくる電話が、いい知らせであったためしがない。そもそも小指の先ほどでも常識を所有しているヤツなら、よほどのことがない限り、日付が変わった直後に他人に電話をかけるという選択はしない。 不幸にして、真夜中過ぎに私に電話してくるヤツは、たいていがよほどの事情を抱えている。私はコーディング中のScalaのソースから目を離して、しつこく振動している電話に手を伸ばしかけ、それが7つ所有している電話の中で、唯一のブラックベリーであることに気付いた。この電話の、定期的に変更している番号を知っている人間は、この地上に数人しかいないはずだった。ということは、特殊事情の件だ。 私はその電話をつかむと、常に接続してあるヘッドセットを装着した。ボイスチェンジャーの作動を示すパイロットランプが