議論が二分していたり政治性が強いとみなされたりして、展示先から撤去を求められた芸術作品を集めた「表現の不自由展~消されたものたち」が十八日、東京都練馬区のギャラリーで始まった。「そんな動きが当たり前になれば、ますます息苦しい社会になる」と主催者。社会が多様性を認めない方向に進んでいるとの危機感から、それを見せる試みに挑んでいる。 (辻渕智之) さいたま市の女性(74)がつくった俳句は色紙で展示された。昨年六月、土砂降りの東京・銀座で、集団的自衛権の行使容認に反対して歩く女性らのデモを見て詠んだ。句会で互選されたが、市の公民館は「公平中立の立場を取るべきだ」と月報への掲載を拒んだ。