◆ ◆ ◆ 「生活保護だけは嫌!」 ――藤田さんは今回の発言、どう受け取りましたか? 藤田 真っ先に感じたのは「もう少し現実を知ってから発言してほしい」ということです。私は昨年秋からコロナ禍での生活困窮を支援する「新型コロナ災害緊急アクション」の同行取材を続けていますが、仕事も住まいもスマホの通信機能も、食べるものすら失ってなお、「生活保護を受けるくらいなら飢え死にしたほうがまし」と表情をこわばらせる人や、「もう少し頑張ってみます」と生活保護の申請を拒絶し、自ら路上生活を選ぶ人にたくさん出会ってきました。 コロナ禍でずたぼろになった彼らが、なぜますます自分を追い込むのか。その背景には、まさにDaiGoさんがしきりに主張していた「努力の足りない無価値な人間を税金で養ってやっている」という差別的な価値観があります。長年にわたって社会をむしばんできた歪んだ自己責任論とスティグマ(社会的恥辱感)。