発達障害の当事者研究に取り組む東京大先端科学技術研究センター交流研究員の綾屋紗月[あややさつき]さん(37)が8日、熊本市で講演した。綾屋さんは、広汎性発達障害のアスペルガー症候群と診断された自身の内面と、「コミュニケーション障害」という患者像にずれを感じたことをきっかけに研究を始めた。講演では、発達障害の捉え方に疑問を投げかけた。 綾屋さんは共同研究者で、脳性まひで車いすを利用している同センター特任講師で小児科医熊谷晋一郎さん(35)と登壇。共通点がないように見える熊谷さんの顔写真と女性アイドル歌手の顔写真を並べた映像を示し、「私には2人が似ていると思う」と述べ、会場を引きつけた。 綾屋さんは、視覚情報は部分部分に焦点が合った「パーツの寄せ集め」で入って来るため、熊谷さんを「車いすに乗っている人」という全体像では捉えていないと説明。「上まぶたの立ち上がりの傾斜角などを見てアイドルと似てい